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septembre 09, 2005

函館その1:ゼミ合宿

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 だんだんと先週の出来事を忘却しつつあるので、自分用リフレクションをかねて記述してみる。

 そもそも今回の函館行きは、日頃から勉強をさせて頂いている寺沢先生がこの春に武蔵美からはこだて未来大に移動される際に、会いに行く約束をした事に始まる。自分だけ行ってもな、ってなわけで4年のゼミ生に声をかけたら以外に皆前向きで、勢いでゼミ合宿をはこだて未来大でやることになったわけだ。なお、当初はみなノリノリで観光気分だったけれど、寺沢先生の凄さを脅しすぎたせいか研究が進まないせいか、日程が近づくにつれて逃げたくて仕方なかったらしい。まあいいや。
 

 しかし実際、緊張するのは僕も同じである。テーマ設定にしても進め方にしても日頃の未熟な指導が丸見えになるわけだし、学生の能力以上にディレクションの能力を問われることは間違いない。そういうことを恐れるなら引きこもって細々とやっていれば済む話しだけど、それだと自分にも研究室にも成長がないわけで。そして外部と接すると大抵の場合、かく恥よりも得ることが多いのもまた事実で、行動力さえあればなんとかなるとポジティブに捉えてみるのである。まして自分が目標としているような人が貴重な時間割いてわざわざ見てくれるってのは、有り難いとしかいいようがない。

 そんなわけで8/31の午後は未来大に乗り込んだのだが、最初から未来大の建物や教室に圧倒され浮き足立つゼミ生8名・・・。そりゃそうかもな。専大とは違いすぎる。
 各自5分ぐらいづつ手短に現時点の企画を発表し、未来大の方々から有益なコメントを頂くことができたのだけど、聞いていて思ったことは、寺沢先生、さすがにテーマへの焦点の鋭さが半端ない。たった5分聞いただけで、これ以上ないぐらい的確にわかりやすく丁寧に言葉を発していく。われわれは訪問客ということもあり、自分のところの学生の指導とは違って(?)かなーり優しく接して頂いたことを割り引いても、迷っていた数名の中にはそのコメントをもらっている数分でちょっと霧が晴れていくような感覚があったと思う。
 日頃研究室ではどうしても自分中心の視点になってしまい気が付かないこともあるが、外部の視点と比べてみると自分の視野の狭さや着眼の甘さを痛感した。もっと日頃から真剣勝負のような場(ゼミ)を作って自分も成長していかないとな。
 そしてうちの研究室の発表が終わったあと、未来大から、布を使ったインターフェイスを研究している院生の中小路君、紙の良さを取り入れた電子フォームの研究をしているeFormProjectのみなさん、そして武蔵美からはePaperProjectを進めてきた4年の有馬さんが、それぞれ興味深い研究内容をプレゼンしてくれ、ゼミ生ともども有意義な時間を過ごさせて頂いた。

 最後に日も暮れた頃、寺沢先生に最近考えていることを聞いてみた。
学生の研究においてはプロセスが大事なことはよく言われるのだけど、それを重視すると結果(作品)が小さくなってしまうことが多い。筋は通っていても魅力がないよね、って言われてしまいそうなのは表現のボキャブラリーなどの基礎体力が乏しい情報学部ではなおさらだ。それだとやってて自信もつかないという悲しいことになってしまう。そこで今の卒業研究では結果をかたちにして位置づけるために先例調査との関係を重視する工学部方式を取り入れているわけだけど、最近では先例として最先端の凄い作品がネットでいくらでも見えてしまうので、都合よくそれらのコンセプトに影響されてしまいがちなところがある。世の中の大抵の人は結果を見るし、当の学生のモチベーションもそうだろうけど、これだと考え方の一番大事な部分を見落としている気がしてならない。限られた学びの時間の中での「過程」と「結果」のバランスの取り方が最近の疑問だった。

 これに対して寺沢先生は、短絡的に結果を急ぐことよりも大学では「考え方」を手に入れることが重要で、その意味はその時はわからなくても10年後にきっとわかるだろう、とおっしゃった。卒業研究ではむしろパネルに圧縮された思考プロセスの方が作品なのであって、展示されたものはその1サンプルに過ぎないと捉えてみよう、そうすると皆さんが今取り組んでいることもまた違った見え方をしてくるんじゃないかな、と。
 強い信念から生まれる説得力に頷きながら、数学の佐藤先生も酒飲みながらほぼ同様のことをおっしゃっていたことを思い出す。若者はその時の気分ですべてと考えがちだけど、それにおもねることなく、本当に大事なことは指導する側がちゃんと理解しておく必要があり、分かるように伝えていかなきゃならないんだろう。当然の事なんだけど急流の日々では見失いがちなことだ。自分に偉大な先生方ほどの指導力を持てるのかはともかくとして、余裕不足で焦っていた考え方を改める良い機会になったように思う。

その後、函館の海の幸を頂き、翌日から学生らは観光に繰り出した模様。僕はその後一日はさんでハコセミ。つづく。

投稿者 kamihira : septembre 9, 2005 11:55 PM

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